ニセモノ
もう誰も、立ち上がり世の中と闘わなくなったというのですか。
毎日はとても平和そうに見えるのに、僕の心は泣いているのです。
もう誰も不条理に声を挙げなくなったというのですか。
声のしない歌を作る意味などないと、僕の心が嘆いているのです。
世の中はとても矛盾に満ちています。
正しいことや話の内容自体ではなく、誰が言ったかという権威ばかりが信頼されてゆくのです。
とても悲しい世界です。
対岸の火事。
平和な街は、人々から当たり前の心を奪い去りました。
きっと誰かが助けてくれると、指を加えていつまでも子供のように待っているのです。
だから誰も、可笑しなことに対して権利を主張し行動しないのです。
国が沈みゆく時でさえ、死にゆく人々を横目に呑気に遊んでいるなど人の道にあらずの筈。
だけど当たり前の声が届かないのです。
もう誰も、立ち上がり世の中と闘わなくなったというのですか。
これはニセモノの平和です。
ニセモノの歌がニセモノの平和を作って来たのです。