2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

良いお年を

大晦日の午後の街は、静かな暖色の佇まいを見せていた。 不景気に泣く暮らしも、そろそろこれからが本番で大変になるのだろう。 俺は、そんな風に思いながら、閑散とした街を見つめていた。 下流社会は、洒落にもならぬ貧しさに傾き続ける。 経済大国は、熱…

二〇一〇

二〇一〇年が消えゆく。 ざわめきに呑み込まれたため息に、一瞬自分の魂の叫びを聞く。 ここからどれだけ、僕は高く昇っていけるだろうか。 年の瀬の忙しなさを感じながら過ごした十二月。 僕は、いつもの様にメロディーを生み続けていた。 ノートに書き出し…

白昼の十字架

白昼の十字架 この街に、どうか本物の希望が生まれますように 二〇一〇年 クリスマスへの祈り 街通りを行く時、穏やかさを湛えた筈の日常とは裏腹に、僕の心は過酷さを背負っていた。 僕は、何かに裁かれてゆく様だ。 理想を口にすれば、偽善だと叩かれ、誰…

虹 Words&Music by Yoshinori Sugawara Rainy Blue 真実よ あと少し 虹の空人の暮らしが求める愛に届くように歌うよ一人歩きする文明が ほら調和を狂わせ 崩れ虹を待つ空 震え脅える人よ何に戸惑い 何を信じているの Wow 安らかに微笑んで 清らかに生きるん…

静寂の街明かり

夜に吸い込まれてゆく、無表情な街並み。 それは、まるで停止した思考を示すかの様だ。 愛と夢と音楽とを心のポケットに探りながら、錆ついた世界を通り過ぎてゆく。 愛か金かのシーソーゲーム。 静まり返った街通りには、その闘いの傷跡が寂しく色付いてい…

 二十四時間

一日二十四時間。 地球は益々速く回るみたいだ。 情報は溢れ、インターネットでは誰もが自由な思いを語り、世界はグローバリズムに踊り続ける。 僕は、この日本社会に生まれ育つ男。 生存競争に揉まれ、それでも心の中の大切なものを信じ、生きている。 誰が…

微笑みの訳

人の暮らしを支え、守り、街通りに色づく微笑み。 それはとっても素敵で、また時に切なく揺れる。 僕らが抱えた暮らしは、これから何処へ向かうべきなのだろう。 人は笑顔の作り方を覚え、積み木の様に心を重ねながら、大切にしたい気持ちや大切にしたい人の…

醒めたざわめきの向こう側に

二〇一〇年 僕の目に映る現実が、何だか泡の様に、慌ただしく幻の彼方へと醒めて消えゆく金曜日の午後七時。 年の瀬押し迫る一つの緊張感の波の中で、僕は一人、小さな部屋に置いた世界を垣間見ることの出来る箱の映像を見つめ続けていた。 抗おうと従おうと…

路上のQUESTION

相容れない日常のざわめきに押され、僕はこの身にバリアを張り、世界から離脱していく。 きめ細やかなバランスを保つ一つの言葉にも、僕は無防備に微笑むことが出来ず、人の善意を善意と素直に呼び、受け取ることをためらってしまう。 これは愛なのか 愛と呼…

愛愁の風

十二月の雨曇りの空を見上げる。 何だか今にも崩れ落ちてきそうで、泣いているみたいだ。 北風に吹かれ、葉を落とし、何だか寂しそうに佇む街路樹は、人生の晩年の人の姿に似て、僕のまだ知らない、覚えてきたもの全てを内に秘めている様で、そのおもむきが…

歩道橋の上の空

秋の柔らかな陽射し降り注ぐ、月曜日の午後。 経済破綻に傾いてゆく暮らしは、僕が持った様々な価値観に付随して、人生に背負った悲しみのその一つ一つを、無意識から意識の中へと追い込んでゆくかの様だ。 ほがらかな表情を見ぜる季節のうつろいとは裏腹に…