散文

君と共に過ごした二度目の春が過ぎ去った。 君がいた春。 くよくよするのはよそう。 そんな風に思ってみるけれど、僕らの心って自分の思うようにはなりはしない。 君のことをふとした時に思い出している。 自分に無理して君にさよならを告げた。 天国の階段…

天国の階段

君と初めて会った日のことを忘れない。 君はまだとても幼くて、見るもの触れるものに興味深々といった純真な眼差しをこの世界に向けていた。 まずはお試しで。 そんな風にブリーダーさんとの仲介役を果たしてくれた業者さんから薦められて君との生活が始まっ…

七度目の春 序文

前回の散文に序文を書いてみました。 七度目の春 序文 311から七年もの月日が経過したのですね。 何度も繰り返して思いを伝えてきた内容と重複しますが、下手糞ながらにも新たに散文を書いたので紹介いたします。 正直に言えば、僕の伝えようとして来たメッ…

七度目の春

311から七度目の春を迎えました。 一オクターブは七音。 一週間は七日。 虹は七色。 次元が切り替わる節目を示す、七という数字が浮かび上がっています。 経済第一中心主義は、完全に行き詰まることでしょう。 自然の理には反しているからです。 東北復興応…

SYMPATHY

暖かくなって来ると、自然と部屋で過ごしている時に、ギターを持って曲作りをしようかなという気持ちになって来る。 流石に三月がやって来るだけのことはある。 二月は逃げるというけれど、本当に時間の経過が早い。 月に一度くらいはブログを更新しておこう…

THANK YOU VERY MUCH

年が明けて、もう既に半月が経過しようとしていた。 時間の流れの早さを思うのはいつもことである。 元旦の日の出の時刻に生まれた僕は、四十四歳のバースデーを迎えていた。 余り詳しくないのだけれど、五黄の寅という珍しい年に生まれたそうだ。 しかも、…

二十色のメロディー

この場所に来れば、美味しい御馳走をもらえて優しくしてもらえることを知っていてテンションが上がってる。 御近所を走り回って逃走したり。 犬は嬉しいと笑うから面白い。 尻尾もグルグル旋回する。 心が和み落ち着く。 フラットな気持ちになる。 マスター…

iPhoneのリズムで

九月下旬へと季節は移ろってゆく。 この頃は長年続いていた生活パターンに大きな変化が訪れていた。 二十一の頃以来の人生の流れのうねりを感じながら過ごす。 生活のリズムがまだ掴めてはいなかった。 ノートパソコンを使ってのデスクワークをする時間も上…

201786

201786 七十二年前の今日。 僕の故郷の広島の街は一発の原子爆弾投下により地獄絵と化した。 僕が生まれるより、ずっと前のこと。 今はとても平和だけれど、広島は勿論のこと、長崎や、そして福島を僕は決して忘れない。 熱線や炎がなかったというだけで、福…

ALL JAPAN

ALL JAPAN 311が起きて、ガレキ一つ動かせる訳でもない音楽について考えていた。 余りにもことが大き過ぎて、音楽という名の心の友よりも取り敢えずは支援としての金品や即戦力としてのボランティアの力が必要な事態。 取り分け自衛隊員の働きがなければどう…

崩れゆく女神

崩れゆく女神 崩れゆきながら、ひび割れ泣いている中世ヨーロッパの女神像。 何だかその姿を見つめているかのような錯覚の中で、僕は時代に立ち向かう一人の女性の姿を固唾を呑み見つめていた。 心に衣服を纏わぬ女性には、時に罵声が浴びせ掛けられる。 彼…

失くした片翼

一国の総理が、自らの考えを伝える手段として新聞を読むようにとの発言を残す。 野次や罵声の飛び交う議会の攻防戦も決められた台本通りに思えてさえ来る。 虚飾の日常から本音が溢れ出したことを思えば、時代は進化しつつあったのかもしれない。 毎日はまる…

タッチパネル

街角に佇み、タッチパネルを操作する人々。 しなやかな指先の動き一つで、様々な情報にアクセスしている。 ネットサーフィン。 オークション。 週末にヨーロピアンレストランでのディナーの予約。 ウエディングの日取りの相談。 友達から送られて来たメール…

祝福

節分を過ぎれば、またあの日の記憶が心の底から甦って来るようだった。 311がまたやって来る。 あの日から、もう六年もの歳月の経過を迎えようとしていた。 東京五輪。 お祭り騒ぎの日常。 人の幸せって何なのでしょうか。 僕は自分の歌だけを頼りに生きて来…

ニセモノ

もう誰も、立ち上がり世の中と闘わなくなったというのですか。 毎日はとても平和そうに見えるのに、僕の心は泣いているのです。 もう誰も不条理に声を挙げなくなったというのですか。 声のしない歌を作る意味などないと、僕の心が嘆いているのです。 世の中…

RICH

新年明けましておめでとうございます。 本年も当ブログ“シュールにROCK決めこんで”を宜しくお願い致します。 今日の日本社会は、ある種のどん底にあるように感じています。 倫理観の崩壊は、パラダイムシフトには付き物なのだと思いますが、何をもって新たに…

1%

1% いよいよ二〇一六年が終わろうとしています。 いつも当ブログへ訪問して下さる皆様有難うございます。 皆様にとって、今年はどんな一年になったでしょうか。 もしもこのブログが何かの助けに少しでもなっていたとしたら、僕にとってこんなに嬉しいことは…

フラクタルの暗号

隣人を如何に愛するのか。 そんな永遠のテーマに人は生かされていた。 毎日は他人からの承認欲求の嵐だった。 僕自身、周囲の視線に酷く脅えることもあった。 何故、人は自分の価値を他者からの評価に委ね生きるのだろうか。 とても移ろい易い他人の気持ちに…

DARK BLUEのシルエット

路面電車内には、地方都市で働く背広姿のサラリーマンやOLに買い物帰りの主婦等の姿が目立っていた。 時刻は午後六時辺りのことだ。 夜の帳にすっかり呑み込まれた、岡山の街並み。 僕の暮らす街からは、庭先感覚で出向くことの出来る桃太郎の街だ。ヘッドラ…

ワイマールの遺伝子

幾つもの運命の糸が、無限の可能性の中で絡み合い、愛憎劇を織り成してゆく。 僕らは、一体何処へ漂流しようとしていたのだろう。 ヒトラーという名の、昔ドイツに生まれた独裁者の素顔が知りたいと思った。 彼は芸術家的感性すら持ち合わせ、心霊術にさえ長…

子羊の悲鳴

毎日のように、リオ五輪のニュースに沸く街は、もう四年後の東京五輪に向け、意気揚々としていたけれど、何かが狂ったままの暮らしの訳を問い質す声は、聞こえて来ない。 大切なことって、いつも少数派の意見だし、小さなその叫び声は街に埋もれてしまう。 …

JAPANESE PARADISE

梅雨が明けてから毎日は流れ続け、夏はもうすっかり真っ盛りを迎えていた七月下旬。 僕は、ギブソンJ-45を持参して、きららカフェを訪れていた。 月日は、余りに足早に過ぎゆく。 うっかりすると、何か大切なことを何処かに置き去りにしたまま、日常のリズム…

働き蟻

消費増税が先送りとなった、梅雨の季節。 もう、あの事故から五年の歳月が流れ去っていた。 僕らは、働き蟻の如く、雨の日も風の日も、長き冬を越す為に労働を続けている。 アベノミクスの経済効果は、国全体にどう影響して来たのだろう。 実感を伴わないと…

スケール

どの世界でも下積み時期は、苦行みたいなものだろうか。 僕の場合だと、ソングライティングと歌うこと。 曲を作ることも歌うことも、本当に第三者に届く形になるまでには、試行錯誤の連続だと思うし、今もそうだ。 ソングライティングに懸ける情熱の温度は、…

一月の行方

初めて地球が丸いと聞いた人々の驚きは、一体どれ程のものだったのだろう? そして、二〇一六年初頭の日本社会が抱えていた安全神話という社会的洗脳からの脱却というテーマは、まさに地球は実は丸かったと聞かされた時の違和感と同じようなものだったのでは…

YURIKA WITH フレンチトースト 

YURIKA WITH フレンチトースト あれから、月日は随分流れ去っていた。 毎日を色んな思いで乗り越えながら、偶然のように出会った日のことを想い出す。 夏の日の出会いは、あまりにも唐突で、何となく僕にとって、不思議な縁を感じるものだった。 彼女の名前…

grand soul cafe Guns´

grand soul cafe Guns´ 夜風が身に沁みる日もある秋の深まり。 十一月初日。 雨の降る日曜日の夜、僕はこの日、新しくオープンしたライブハウスを訪れていた。 中規模都市であるマイホームタウンの市街地の一角に、その店はあった。 すっかりライブハウスや…

一℃

点と点とが交わり、線が生まれる。 この巨大なマネーゲームを続ける社会の片隅では、まるで塵程度の存在に自分が思えて、心震えていた十代。 時代は、随分変わってしまった。 季節は当たり前に今日もうつろいを見せ、人の暮らしは流れ、時代は常に変わってゆ…

ROCKがあれば

雨の火曜日。 夏は、突然の終止符を打つように過ぎ去り、社会は、人と人とを繋ぎ止める為の規範を示す術を持たぬ暗黒の時代が続いていた九月。 法律を学ぼうが辞書をめくろうが、現代人の生き方を導くものなどなく、人は孤独の闇を覗き、様々な反応を示して…

うたたね

平和公園の木陰には、花壇を上手く利用して設けられたベンチがあった。 花壇の外枠に木製の板が敷かれ、人々の憩いの場が提供されていて、僕はそのベンチに佇んでいた。 終戦記念日であるその日、目の前にそびえる原爆ドームを見つめながら、お盆で賑わう広…