ALL JAPAN

14日の夜、地元ラジオの公開収録に出演させて頂き、番組内のコーナーでトークとライブを行ってきました。
ライブの中から「ALL JAPAN」という曲を紹介します。

この曲は3.11への僕なりの思いを形にしたもので、悲しみに寄り添うスタンスを探し、心を届けたいと祈りを込めた作品です。

夜空に輝き歌う星のように、僕達の魂が静かになり、優しく強い思いで生きていけますように。






ALL JAPAN
Words&Music by Yoshinori Sugawara


ALL JAPAN 祈りに似たため息
ALL JAPAN 国家はマヒしていた
3.11メディアは真実を描けない ああ 列島よ
ガレキの街に埋もれた夢 避難所に咲く花 風揺れ涙落ちた 
大地黄昏てゆく西へ沈む 夕陽輝き


ALL JAPAN 何度も愛しい人
ALL JAPAN 名前叫ぶ海岸
3.11 世界を闇に包む 風吹き ああ 列島よ
ガレキの街に埋もれた夢拾い集める友になろう
夜空見上げ 星は優しく歌う会えぬ人の笑顔のように


ALL JAPAN  ALL JAPAN 唇に歌をもて
素敵な未来を追いかけよう ALL JAPAN


ガレキの街に埋もれた夢声にならない虚しい朝
人の情け 肩たたいた温もりに生きる希望 生まれて欲しい
愛しい人といつか見つめてた夢胸にしまう 傷を癒して




 この動画は、先月中旬に地元のラジオに出演させて頂いた時のものです。
 人生初のラジオ出演でドキドキでした。
 番組の司会は、広島にある地元のライブハウス、MUSIC FACTORYのオーナーをされている岩本利之さんと奥様であり、地元で活躍するチョコレッツという女性ボーカルグループのメンバーでもあるレイさんのおふた方で、もうかれこれ十数年のお付き合いをさせてもらっています。


 僕は、自分でいうのもなんなのですが、相当にシャイで、こんなに長いお付き合いになっていますが、おふたりに自分のことを殆ど話したことがなくて、番組内のトークでは、初めてといっていいほど自分について話をさせてもらってきました。
 トークの内容は、特に大好きな音楽について語ってきたので、苦手な人との話も楽と言えば楽だったのですが。


 その時、公開ミニライブという形で三曲歌った中の一曲が、今日紹介するALL JAPANです。
 この曲は、東日本大震災支援ソングとして作ったものです。





今回番組で歌うきっかけを得たのは、地元にある他のライブハウス、HIDEAWAYのオーナーのトクさんの紹介という形からでした。
 トクさんは、ラジオ収録日にも一緒に番組に出演し、僕はトクさんの受け持つナッティーブラザーというコーナーでの紹介だったのです。
 番組の少し前に、久しぶりにHIDEAWAYへ歌いに出掛け、その夜のギター一本のアコースティックライブの中でALL JAPANを初めて人前で披露しました。
 僕はこのところずっと喉の調子が悪くて、その夜のライブも自分ではとても満足のいくものでは決してなかったのですが、それでもトクさんは、いつものように真剣に僕の歌を聴いて下さり、それでライブ後にラジオ出演の依頼の話を頂きました。
 話を頂いた時、殆ど社会に自分の歌を聴いてもらえるチャンスのない僕は、これは一つの良い機会にしたいと思いました。
 今年は東日本大震災で、国は内戦状態に陥り、やっぱり僕がそんな社会や時代に対して出来ることは歌なんだと思っていましたし、だから、地元のラジオでささやかにでも歌という形でメッセージを誰かに届けられる機会は、とても嬉しかったです。


 今国は、お金お金お金と、僕達国民の命よりも経済活動の方を完全に優先させている厳しい現実の中で、まず初めに、一番震災の被害を直接的に受けた方々に思いを馳せ、国民一人一人がそれぞれに出来る形で寄り添うことこそ、当たり前ですが、最も尊く大切なことだと思います。
 こうして、歌なんて作って歌っていると、道楽だの何だのと批判の声も、この頃はとても多く耳にしますが、音楽に昔魂の救済を受けたと感じて、何とか今日まで無事に生き抜いてくることの出来た僕としては、音楽って人間の魂を逆境の中で気高く強く奮い立たせてくれる、とても神聖なものなんだと伝えたい気持ちにもなります。
 でも、それは言葉でいって伝わるものでは決してないでしょう。
 僕はシンガーソングライターとして、その感動を歌で伝えなくてはならないのです。


 今回の大震災について、あの時から約半年という時間が流れ、いまだ福島第一原発の終息の目途も立たない時代の中で思うのは、この震災はやはり日本人に、また世界中の人々に、二十世紀までの超物質的価値観を見直し改めるよう迫るものに違いないと確信しています。


 そして、僕はそんな時代に対して、嘘のない歌を歌い続けていたいと、そう思うのです。
 歌は僕の生き方そのものだから、嘘として、やがて時の流れの中で、その意味、その価値を失ってゆくということは、僕にはとても耐えがたい悲劇なのです。
 頑張ろう日本というキャッチフレーズもありますが、東電や政府の正しい情報開示のない今、放射能という目には見えない危険物質を前に、一体どう頑張れというのかとも思います。
勿論、頑張ろう日本というフレーズに込める思いも人によって様々で、一つの言葉を取り上げて、どうこういうことは出来ないとも思います。
 一番僕が不思議に思うことは、世の中が福一の危機など過ぎたかのように見えることで、日常は普通に流れ続け、この国はもう死んでしまったかのようでもあります。
 やはり、マスコミやテレビなどを通じて、何も考えず、政府の都合のいい奴隷にさせられてきたのだと痛感せさられる日々です。


 色々と思うことや言いたいことはたくさんありますが、僕は3.11直後に心の中に舞い降りてきたALL JAPANというメッセージを大切に心の中に育て、歌い続けていくことから、もう一度新しい世界の創造に取り組んでみようと思います。