中学三年生さんへ

歌を作る時はとても衝動的にメロディーを口ずさみ、そこに理屈も何もなく、感じていることの意味もはっきり分からぬまま創作しています。


心の中に葛藤や喜びのエネルギーが充満してある限界点に達した時、まるで心の中の宇宙の銀河の一つがビッグバンと呼ばれる現象を起こすように、音楽が生まれてくるのです。


それはとても原始的な行為で、この世界の中での無駄なものをすべて削ぎ落とし、あるがままの精神に立ち返ろうとする運動のように感じています。
きっと人間の精神は物質世界に埋もれ、ある極限状態を経験したとき、すべてを自然回帰させて、それまでに鬱積させたエネルギーをもう一度フラットに戻そうと働くものなのかもしれません。


そしてその行為が辿った道のりに、法則を見つけようとすることを芸術論と人はいうのでしょう。
芸術とは確かに人間が本質に立ち返ろうとする生命活動の総称のように思います。
だから人々は、いつまでも芸術作品に魅せられ、芸術を求め続けているのでしょう。


つまり、人間という存在も宇宙全体も、神や自然と呼ばれるエネルギー体に融合する方向へと流れ、何かの大きな力に導かれ、この世界に生かされていると、一つの仮定としての結論を用意することができるように思います。



その一連の運動のことを、もしかすると中学三年生さんはつながりと表現されてるのかもしれませんね。