情熱の射程距離

 十月初めのライブのお知らせです。
 いつものようにライブハウスHIDEAWAYで歌います。
 夏からライブ活動を再開して、いい感じで調子も乗ってきました。
 一回一回のステージを大切に歌っていこうと思っています。



HIDEAWAY ACOUSTIC NIGHT

2012年10月11日(木)

OPEN 20:00〜

場所 HIDEAWAY

広島県福山市神辺町下御領1383-4

TEL 084-965-0410 FAX 084-966-2290






 秋の夜長に、赤ワインとグラスをテーブルに並べて、次のライブの計画を立てる。

 
もう十年以上も昔に作った、二十代のロックンロールをもう一度歌おうと、譜面の手直しからの段取りを頭の中で転がしている。
 メロディーにコードを着せ替えて、リズムの上で踊る言葉が色褪せて見えないか感覚に耳を澄ませてみる。


 まるで数学の座標点を探るかの様な、僕の現在地点を見つけ出す心の旅が続く。
 日常に抱えた悲しみに埋もれた情熱に、きっとロックンロールは慰めを与え、愛の光を灯してくれる筈さ。



君もロックンロールっていう名前のビックウェーブに乗って知性のサーフィンをし、未来の情熱の白い砂浜へ冒険に出ないか。
 音楽は細胞の記憶の眠る扉をノックして、僕ら本来の魂のバイブレーションを呼び覚まし、情熱に火をつける。


 さあ、曲順もだいたい決まった。
 街角を散歩している時も、ステージに立ち歌っている時も、現実に直面しているという意味に於いては同じだけれど、ライブで生み出す空間って、僕にとって一番超リアルな剥き出しの現実との接点のように思えるんだ。


 ステージを完成させる為に揃えた曲が存在していて、そして一曲一曲の中で思考し、言葉を重ね、音階を上ったり下りたり、僕の感情は今こうしている間にも躍動を続けている。
 そして、ライブという空間の中で、心は超現実に対し向き合い、タックルを繰り返す。


 日常なんて本当は真実に触れられるような瞬間が少なく、不憫なものなのかもしれないって、時々そんなことを思ったりする。
 訳の分からないような日常の悲しみにフリーズした心を解き放ち、自分らしさという心の座標点を描き出すんだ。



 グラスに注いだワインを飲みながら、僕は空想の中で見たライブの幻影をもう一度払い除け、ダイアリーのライブ予定日に印をつけた。