キャンドル
僕は、自分自身を取り戻す為に音楽を必要として奏で続けてきた。
たぷん、音って一番本質的なものなんだと思う。
物質として宿る以前に、原子としての存在や宇宙的な感じのものだったり。
難しい話はよく分からないけれど、感覚の中の響きとして、僕は音楽に己の存在する意味を尋ね続けてきたんだ。
僕は、音楽を作ったり、また散文を書いたりしながら無意識にアクセスし、魂に導きを求めた。
僕らの人生の目的や求める答えは、きっと外側の世界にはないと思った。
もうすぐクリスマスがやって来る。
キリスト意識に辿り着くことが、僕にとっての一つの憧れだった。
もう、この世的な時間でいって、二千年くらい前の話だ。
彼の残したとされる言葉の意味が、ただ漠然とだったり、ぼんやりとしたイメージで伝わり、それを生きる中でのみ理解するチャンスに恵まれた、この人生。
僕は、彼を宗教家として崇めていた訳ではなかった。
ただ、一人の人間として彼が持っていたであろう優しさに強く惹かれた。
彼は、きっと宗教を作るつもりではなかっただろう。
ジョン・レノンが歌ってる。
宗教なんていらないと。
だけど、大切なのは、宗教が悪いと言っている訳ではない点だろう。
ただ、人と人とを分け隔てる観念としての信仰への忠告みたいなものだったのかなと、個人的にはそんな解釈のイメージがあった。
音は原子に働き掛ける魔法の言葉であり、DNAを起動させることの出来る鍵のような気がする。
それは、無限の宇宙へと開かれる螺旋階段みたいなものかもしれないし、神へと繋がる祈りの言葉になる気がする。
人種や宗教の壁を越えて、音楽が聖夜に愛の光を灯しますように。