SHOW IS DELICIOUS

 フレンチトーストでは何を歌おうか?


 この春に結成したバンドは、基本的には僕のソロをサポートという形で始まっていたのだけれど、折角だからバンドのオリジナルナンバーも欲しい。
 そんな風に思い立ち、まずは一曲作ってみた。



 この曲を作る時、バンド名からそのままヒントを得た。


 きららカフェのマスターとのセッションという、ひょんな物語の始まりがある。
 フレンチトースト誕生のきっかけは、そんな何気ないことからだった。
 とりあえずユニット名をと考え、マスターを感じてみた時、ふとフレンチトーストというキーワードが頭に浮かんできた。
 それからカフェへ行って、その話をすると、フレンチトーストを食べてますみたいな話になって、やっぱりこの名前で行こうって思った。



 フレンチトースト。


 曲は、カフェの何気ない一日の始まりを追いかけ、進行していく。
 テーマの根底に流れるもの。
 カントリーライフ。
 人間愛。
 資本主義を卒業し、成熟していく魂の成長を描く。


 たとえどんなに才能があったって、人間は一人じゃなんにも出来ない生き物だと思う。
 そして、一人の人間が輝く時って、きっと個として全体に奉仕する時のような気がする。
 個の奉仕は、全体からもまた逆に奉仕される結果に繋がる気がしていた。
 それが、循環型社会の雛型だろう。
 循環とは、奉仕であり、そして無償を意味するのだろう。
 これからの世界観についての、考察としての一端。


 歌は、理屈抜きだからいいなと思う。
 説明しなくても、歌えば伝わり分かることって、やっばりある気がする。



 フレンチトーストを、カントリーライフの憩いのひと時にどうでしょうか?


 身分や肩書なんかも横に置いておいて、とりあえずリラックスして背伸びをし、深呼吸をひとつ。
 僕や君が、本当に心から望む人生について、お互いの素直な気持ちを持ち寄り、何かを分かち合いながら、再び歩き出してみましょう。
 転んだっていいのですよ。
 失敗したって、恥ずかしいことなんかじゃないのです。
 人の失敗を笑い、自分の人生を諦め、下を見て暮らすようなことこそ、本当に恥ずべきことだと思います。
 失敗がなければ、成長もなし。
 雨が降らなければ、空の青さの眩しさも分からないのですから。


 僕達は皆、足りないものを探す名人ですね。
 本当は、もうとっくに、十分に恵まれていて幸せな筈なのに。



 さあ。
 フレンチトーストのささやかなショーの幕開けです。
 お時間のある方は、カフェでホッコリと一息つきながら、ライブを楽しんでいって下さい。