祝福の鐘

 清らかなる魂を一つ持ち、この荒んだ世界を静かに見渡してみれば、本当に信じるに値するものなど初めから大して存在してはいなかったのだと深く再認識させられていった。
 心の内側に無限のパワーを宿し眠っていた聖域に立ち帰った僕は、目に映る物事全ての本当の姿を中立的に見つめ続けていた。
 一つ一つの現象にいいも悪いもなく、全てがそれぞれの生命活動の中で学びを体験し、本物の愛の姿を心の中に刻み込み覚える為の次元がそこに広がって見えていた。

 情熱の限りに僕は、真の自由と平和を求め、正義と真実を探し続けた。
 そしてもうそろそろその意味を分かってもいい頃だろうと神がそう僕に告げられた気がしていた。
 その時、確かに僕は大きな試練を乗り越えたのだと思った。
 そして、新たなる意識の中へと誕生し、世界が祝福の鐘の音で満たされ、愛と呼ばれるエネルギーを自分の内側から世界へと分け合う豊かさの中で調和し、安らかな宇宙のリズムに踊る魂が幸福を感じ浄化されていくのを感じ続けていた。