2010-09-11から1日間の記事一覧

フィブリノゲン

フィブリノゲン Words & Music by Yoshinori Sugawara フィブリノゲン投与された人生 病室ベッドで振り返っていた 平凡だけど素晴らしき人生 愛する人と子供に恵まれて 窓の外に咲く桜美しく 疑いもなく神の愛に溢れ だけど今年見納めになるだろう 最期の時…

静寂の夜明け

「そんなに熱くなって歌ってもな。歌でも何でも冷めてるくらいがちょうどいいよ」 小さなライブハウスの片隅の席に座っていた俺に、笑いながら酒をあおった顔馴染みの中年男がそっとそう話し掛けてきた。 あんたの泣きたい気持ちも分かるけどよ、俺はそんな…

痩せたステージの小さな微笑み

暖色に染まる賑やかな人々の話声とグラスの音や物音の飽和した田舎町の小さなライブハウス。 人々の心のモラルの崩壊した時代に無名ミュージシャンである俺の、名もない暮らしの物語が、その日転がっていた。 ステージの椅子に腰かけ歌う俺は、それでも歌う…

イントロまでの距離

8月中旬、過ぎゆく猛暑の日々。 気候に気分を乗っ取られる様な極端な夏から僕は逃げ出す事も出来ず、日中は暑さと背中合わせに時の経過を見つめ続けている様だった。 地球の異常気象も2012年に起こるとされている次元移動に伴う一連の動きであるという…

祝福の鐘

清らかなる魂を一つ持ち、この荒んだ世界を静かに見渡してみれば、本当に信じるに値するものなど初めから大して存在してはいなかったのだと深く再認識させられていった。 心の内側に無限のパワーを宿し眠っていた聖域に立ち帰った僕は、目に映る物事全ての本…

幻影への脅え

降りしきる雨の中、当てもなく人生を彷徨い歩く日々がある。 時には思いやりの意味を肌で感じながら、それでも次の瞬間にはさっきまで信じていた筈のその思いを心で裏切る様に背を向け歩いてしまう日々もあるかもしれない。 ありふれた日常の中で、きっと人…